リフォーム業界はいよいよ成熟産業へシフトしてきています。
現場で日々営業していてこの波は感じております。
当グループも5年前(2003年)にリフォーム専業会社として
株式会社ハイウィルを設立しましたが、
5年前に開始した際もすでに成長期の後半だったのではないかと思います。
私個人では独立前も1998年年より工務店で
現場管理をしておりましたので成長期の時代も体験してきたつもりです。
今、思い返すと1998年当時は、
需要者に対して供給者が今のように多くはなく、
都内でもチラシを撒けばかなりの高レスポンス率を
保つことができました。
その当時のマーケティングは、
いかにチラシのレスポンスを上げるかが重要で 、
メニュー型ちらしが流行りパック工事などを入れておけば
レスポンスが上がったり、カラーよりもモノクロ2色刷りのチラシ
の方が高レスポンスだったとか。
チラシ、チラシ、チラシとどこのリフォーム社長と話しても
チラシの話ばかりだったのを記憶しています。
訪問販売が全盛期だったのはこの頃です。
私自身も工務店でチラシのレスポンスを上げるために
コピーライティングを学びにいったり、
セールスレターを学んだりとかなり勉強したのを覚えています。
私は、都内で2000年ごろチラシのレスポンスが下がり始めたの
を機に、チラシを減らしwebで集客ができないかを考え、
当時では珍しいホームページでマーケティングを開始 しました。
このとき思ったのは、地域密着で展開してきた工務店がwebの台頭で、
エリアの垣根を超えてしまうんだということでした。
今では当たり前ですが、当時は本当にびっくりしたものです。
ある一定のエリアでチラシをまいたことしかなかったので
webで集客し、今まで施工したことのないエリアからお客様が
来ることが不自然な感じさえしたのを覚えています。
webって凄い!と。
当時は、webでのライバルは極端に少なかったので、
SEO対策を自社で試行錯誤しながらやっていくことで
十分にお客様を獲得することが可能でした。
しかも当時は、ネットユーザーも今のように当り前ではなかった為、
エリアでいえば地元(東京北部)のお客様というよりは、
超都心の広尾・恵比寿・目黒・渋谷などで、
お客様の職業も一流商社マンや証券アナリスト、
ときには芸能人などいきなりお客様層が変わったのを思い出します。
webは今後ますます広まるだろうと予想ができたので
数々のホームページを立ち上げてSEO対策をしていきました。
このような時期にチャンスは今しかないと思い独立したわけですが、
まさに成長後期、各社さまざまな差別化が始まろうとしていた時でしたので
私は、超都心の特にマンションリノベーションを狙ったサイトを作成し、
コンサルタントを入れてリノベーションスタジオをオープンさせました。
リノベーションのモデルが確立したころ、リフォーム業界にも自然素材ブームが始まり
さまざまな自然素材を利用したブランディングがさかんに行われました。
もちろん私も採用しました。
気がつくと営繕工事からはじまったモデルがいつのまにか高額化し、
売上額こそは上がるものの経営的にどうなのか?
と気づきました。
利益を永続的に取り続けなければ会社は経営していけません。
どこの社長と話しても売上の話ばかりで利益の話はないのです。
「うちは5億だけど、おたくは?」「今年は3億から4億にあがったよ!」
みたいな話ばかりなのです。
いったいどうやって経常利益を毎年出し続けているのだろうか?
そう考えるようになりました。
私は、このままブームに踊らされると大変なことになると思い、
リフォーム業をリンクさせるもう一本の柱がないかを常に探すようになりました。
それが施主支給でした。
結果はニーズに合致していたため成長曲線に乗ることができました。
ここで言いたいのは、成功話ではなくリフォームを事業としていく際に
もう一本の収益ラインを作っておくことが必要だということです。
このような気づき得たのは、
施主支給を始めてみて、
同時に2つの収益モデルをみて、はじめてわかったことです。
施主支給というビジネスを市場に浸透させ5年経ちますが、
2本の違う収益モデルがリンクしバランスが取れてきているのがわかります。
リフォーム業界で10年経営してきて思うのは差別化だけでは生きてゆけない。
できるのかもしれないですが、
もっと楽しくリフォームをしながら経営することが可能である。
今ではそう考えています。
私はリフォームが好きです。
竣工後、お客様に引き渡しをする瞬間のお客様の喜ぶ顔を見てしまうと
それが次も見たくてやり続けてしまいます。楽しいのです。
なんの本に書いてあったのか忘れてしまいましたが 、
『ビジネスとは徹底した差別化及び日銭を稼ぐ仕組み作りである。』
という言葉を見たことがあります。
まさに核心をつく一言ですね。
≪今日のお勧め本≫
勝間さんの本はすべて読んでいますが、今回はビジネス思考を養うというよりは
、どんな思考方法を経て思考が形になるのかという流れや方法論が、わかりやすく
書いてあるので、これを読んでから専門的な書籍を読んでいくとおもしろいと
思います。フレームワーク力を養いたい人の入門書だと思います。