一戸建て2世帯スケルトンリフォームの際に構造の傾きを補正するケース (江戸川区S邸①既存着工前)
創業大正8年のハイウィルでは、年間を通じ、
常に順番待ちになっている工事があります。
その最も多い工事のご依頼の一つが、
リフォーム一戸建ての全面工事(リフォーム)です。
『リフォーム一戸建ての費用価格で損をしない虎の巻』では、
一戸建てリフォームを検討している皆さんに、
ご予算の中で理想としている工事をどのように実現していくか?
価格や費用をどう捉えれば良いのか?
どのような業者に依頼すべきか?
についてお話ししていますが、
今回は、家が傾いている??
といったお悩みです。
家が傾いている?
といってビックリされる方もおられるかと思いますが、
実は、弊社のように改築(一戸建てスケルトンリフォーム)工事を毎日やっておりますと、
その度合いに差こそありますが、
かなりの頻度で傾きを気にされておられる
方も多いのも現実です。
そもそも木造の住まいは、
基礎の上に木構造体が乗って建物を構成していますが、
傾きにも、
基礎より下の部分、
つまり
地盤自体が傾いているケースと、
基礎より上の木構造部分での傾いているケースが
ございます。
地盤自体が下がってしまっているケースでは、
近くに高層のマンションが建って地盤に影響が出てしまうケースや
もともと地盤がゆるく、隣の家が新築をした際などに
傾いてしまうなどのケースがあります。
基礎より上の木構造体部分が傾いている場合は、
築年数とともに木が痩せてしまってという自然なケース
(この場合度合いはひどくはないケースが多い)
と一部の構造体に過度な荷重がかかってしまい傾いてしまっているケースや
そもそも施工不良のケースなどさまざまです。
ここで紹介する事例は、
地盤自体が近隣のマンション等の建設をしていく段階で
傾いていたお住まいで、なおかつ築年数の古く、
無筋の基礎で、一部束がなかったりといった状態で
現場調査の段階では、床板がフカフカしている状態であった
お住まいの一戸建て内部スケルトンリフォーム(改築)でした。
今回ご紹介させていただく事例のお施主様である東京都江戸川区のS様は、
新築時から何回か手を加えていく段階で、
一部の構造体に過度な荷重がかかってしまい傾いてしまっていたケース
です。
江戸川区S様のお住まいは、築40年の木造3階建てで
ご夫婦とご主人そして二人のお子様が現在お住まいのマンションを
売却されお母様が一人で住まわれるご主人の実家をリフォームして
2世帯にするというものです。
S様の2世帯への一戸建てスケルトンリフォームをされるまでの経緯と要望を整理
しますと
・お母様が長くおひとりで暮らしており、今回息子様世帯も一緒に同居し2世帯リフォームをしたい。
・新築当初から3階の床の傾きが気になっており、構造から見直したい。
・既存一階が駐車スペースとなっており、そこを居住スペースにしたい。
・外壁部分にはルーバーを設置したい。
■既存図面
■既存建物写真
奥様とお母様に現場を案内していただき調査に入りました。
既存の駐車スペースは3本の鉄梁が2階、3階を支えているため
せいが高く、そもそもの階高も低いことから1階を居住空間にする際には
この梁がかなりの圧迫感を与えることになると説明。↓
駐車場の真上に位置する既存の流し台。
新規の2世帯スケルトンリフォームでは、対面型を希望されておりました。
このキッチンの排水管の位置も一階の梁に干渉しないように
設計しなければなりません。
キッチンの隣のお母様が使われていた納戸3畳には、2世帯スケルトンリフォーム後、
既存台所スペースを拡大しLDKにする想定で、水まわりを設備を集約させるプランを
ご提案しました。バスルーム≪新規ユニットバス(システムバス)≫・脱衣所≪洗面化粧台
・洗濯パン≫をゾーニングしました。↓
ご主人様の強うご要望で、リビングは2世帯スケルトンリフォーム後にも
和室をご希望されておりましたので
道路面に面した既存の2階和室・洗面化粧台・トイレが設置されていたスペースを
補強の上拡大し9畳の和室スペースのリビングルームをご提案しました。↓
2階の現場調査を終え、3階に上っていき、廊下に出た段階で、
かなりの傾きがわかりました。何度かリフォームをされておられるとの
ことで、床を剥がして、構造体の仕掛けをみないと
100%のお話はできませんが、どこかに荷重がかかりすぎていることは
わかります。木が痩せて傾いているというレベルではありませんでした。
3階はご主人さまのお部屋と奥様のお部屋とお子様のお部屋の3部屋
が欲しいとのご要望がありましたので、
そのような設計でプランをたてました。↓
S様にご提案させていただいた2世帯スケルトンリフォームプランです。
■ リフォーム後 1階2階平面図 ■
■ リフォーム後 3階平面図 ■
ご主人さまがルーバーをご要望されておりましたので
アクセントとして外部のルーバーを設置するイメージを
提出させていただきました。
■ リフォーム後 外観イメージ ■
■リフォーム後 1階鳥瞰図■
■ リフォーム後 2階鳥瞰図 ■
■ リフォーム後 3階鳥瞰図 ■
プランは、最終プランをブログでは掲載しておりますが、
月に2回程度の打ち合わせを継続し、
約3か月の打ち合わせの中で、5回程度微調整を
繰り返し最終的に決定したプランとなります。
お客様のご要望を聞き、工事会社として、
抜けない柱、壁をお話させていただき、
またお客様の方でご要望をいただき、
さらに工事会社として、構造を考えできるところとできないところ
のお話をさせていただき、仕様もご予算に合わせ
すり合わせを繰り返していく時間が、
このスケルトンリフォームでは必要となり、
お客様のご要望、イメージと我々の認識を合致させる
ことがより良いお住まいを作る絶対条件となります。
木造のスケルトンリフォームに関しては、
在来工法だからな何でもできるというわけではなく
しっかりとした木構造の建築知識がないと
構造を触れる以上、のちのち大変なことになりかねません。
一戸建ての2世帯スケルトンリフォームをされる場合は
しっかりとした技術水準の高い棟梁がいて、
その技術水準が高い職人をまとめられる熟練の監理者が
常駐する会社へ相談することが必須となります。
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