一戸建て2世帯スケルトンリフォームの際に構造の傾きを補正するケース (江戸川区S邸②解体)
何度もブログで書いていますが、
木造の1戸建スケルトンリフォームで最も気を使う部分が、解体と木工事
になります。
既存の軸組を新たな軸組へ変更を伴うため、
解体にも気を遣います。
今回の江戸川区S様邸も例外ではなく、
新築され数年後に間取り変更を伴う改築をされ、
幾度となく手を加えられているような、
現場では、無理な改築をしているケースなことも少なくなく、
一部の梁などに無理な荷重がかかっているものなど、
この解体の段階であきらかになります。
従いまして、機械壊しではなく、
S様邸の一戸建て2世帯スケルトンリフォーム工事解体作業も手壊しになります。
今回は外壁を基本的には残しサッシを一部交換する内部スケルトンリフォームプランに
なっていたため、内部と残すサッシ(窓)、構造上必要な構造体以外は解体をしていきます。
一階部より解体作業スタート↓ 鉄骨梁があらわれてきました。

このような大スパンで開口を取るための梁設置ケースでは
鉄張りではなく、せいの高い(木製)梁を入れたほうがよかったといえます。
(微妙に中央部が凹でいるのがわかります。)
前面道路も狭いことが都心部では多く、
一回に4トンロングのトラックなどで廃棄をすることができませんので、
2トントラックを何回かに別けて呼び 解体作業は進められます。
3階部分まで構造体があきらかになっていきます。
鉄張りに支えられている2階の構造体。 雨で外壁の内側のザラ板が腐食しているのが
目立ちます。サッシまわりからなのかエアコンのコア抜きした箇所なのかなどを
みていきます。
一階部は駐車スペースと玄関、廊下、脱衣所、浴室でした。
このスペースを居室にしていきます。
一階駐車スペースには当然布基礎はありませんが、廊下部分は布基礎が走っています。
そもそもこの梁が圧迫感があるなかで床を上げるわけにはいきません。
ここをどうやって施工するか。このようなことを考えながら解体をしていきます。
既存サッシを撤去する箇所は大き目にカッターを入れ撤去します。
S様宅に現場調査した際にも、
3階部は立っていてすぐに傾いているのがわかるぐらいの
傾きがありました。
ここも構造部があきらかになり原因が判明します。
解体をしてみると
既存3階洋室の床が湾曲をしており
3部屋をつなぐ廊下の床下にある梁に無理な荷重がかかっている
ことがわかりました。

ここまで荷重をかける場合、もっとせいの高い梁をかける必要が
ありますが、数十年前に改築したさいにそのまま新築時の梁に
柱を乗せてしまっていたことがわかります。
このようなケースを解体の段階で、ハイウィルではお客様へ現場にきていただき
確認をしていただき対応策の説明をさせていただきます。

解体作業が終わると 1階が居住スペースにする為、駐車スペース部分に
新たな基礎を作る作業(基礎工事)にうつります。

道路側新規基礎配筋

配筋を立ち上げ基礎補強緊結します。
型枠を固定します。
今回のS邸のケースでは基礎を新設する箇所よりも
基礎を解体しなければならないところに気を遣います。
一階の廊下部分と駐車スペースとの絡みがあり
居室にする際にどうしても基礎をさげなければならない箇所がでてくるためです。
解体された構造体をみて、
構造上ダメージがない部位のみ解体していきます。

耐力壁となっており、2階、3階部を背負う重要な柱が合っている土台部は
解体することができません。このあたりの見極めが重要になってきます。
このように解体は、建築全体を見渡しつつ、提案された新たな間取りも考えながら
解体を進めていかなければならないのが、一戸建てのスケルトンリフォームになります。
壊してよいところ、壊してはいけないところ、解体する職人にもレベルが問われることになります。
一戸建てスケルトンリフォームは、営繕工事とは違います。
もちろん、キッチンやお風呂といったリフォームも排水に気を遣わう意味で熟練を要しますが、
木造の一戸建てスケルトンリフォームは身体でいう骨格です。
骨格を矯正したり変えたりするわけですから、間違った処置をしてしまったときどうなるかを
考えればお分かりいただけるかと思います。
木造の一戸建てのスケルトンリフォームをする際は
価格というわかりやすい指標だけで判断するのではなく、
大前提として経験値の高い会社で検討することをお勧めいたします。
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