一戸建て2世帯スケルトンリフォームの際に構造の傾きを補正するケース
(江戸川区S邸④大工 木工事 編)
解体後のザラ板補修も終わり、本格的な木工事に入っていきます。
家がゆがんでいる原因は過度な荷重が一部の構造材にかかっているため
であり、今回の工事では、荷重の分散が大事になってきます。
まずは
材木搬入です。
このように一階が駐車スペースであったため
材木を置く場所の確保には助かりました。
しばらくはこちらが加工場になります。
江戸川区S様邸での木工事のポイントは2か所になります。
① 既存駐車スペースの天井高が2500しかない空間を
居住スペースにしなければならない。
② 3階床の歪みを矯正する
↓は3階床から撮影、2階天井の梁が数回のリフォームで、
荷重がかかる設計になっている。。)ここを補強します。
の2点です。
まずは3階建ての住まいに最も大事な一階の構造部である
このわずかに中央が落ちている鉄柱に柱を立てていきます。
1階の既存車庫スペースは、天井高が2500しか無いうえに
鉄梁が横に3本走っています。
この鉄梁は2階3階を支えている大切な構造材のため撤去は出来ません。
そのため、居住空間としての天井高を確保しつつ梁を活かしながらの
プランが必要なのはいうまでもありません。
天井高を取る為に、1階の床はマンションでの床の施工方法と同じ方法を選択しました。
既存の土間を活かしてフリーフロアで床を造作していきます。
駐車スペースと廊下部分の間には布基礎がありますので、
高低差を考えた柔軟なプランの作成が必須になります。
そして、問題の歪み補正工事に入ります。
3階の床の歪みは2階の梁を補強して矯正をかけていきます。
荷重集中の為、沈んでしまった歪んでいる2階の梁を直すのに、
2階の床よりジャッキアップをかけ、
飛ばし過ぎていた2階の梁の中央(3階では最も沈んでいた部分)に新しい柱を建てて
荷を分散をします。同時に側面に力板で補強もします。
その他荷重が分散されていない箇所も間取り方で柱を立てられる部分が
ありましたので、S様にお話をして補強をしました。
下の写真は力板を裏から見たところです。
その他も構造上の弱い部分には新たに柱・梁を組んで補強していきます。
耐力が必要なところには筋違を入れて補強していきます。
S様邸は新築で建てられてから改築を何度かして、間取り変更していたため、
部屋を広げる=柱を抜くという箇所が多かったため、随所に柱を入れていきます。
歪んでいた2階部の梁は↓の写真のように荷重を分散することで、
今後歪みのない住まいへと変えていきます。
江戸川区S様邸では、
先ほどのように、大工も1階の天井高を確保する為に
かなり工夫をし構造を考えながら組んでいきましたが、
設備工事でも苦労した箇所があります。
最近多くなっていますが、
もともと1階にあった風呂などを2階に持っていくスケルトンリフォームが非常に多いです。
こちらのS様ももともと1階にお風呂がありましたが、2世帯リフォームにより
お母様が一階で生活をされるため、
2階にバスルームを移設しました。
通常の在来工法であれば配管等設備工事もあまり苦労することはないのですが、
今回は一階に鉄梁が入り、配管経路を計画するのに大変苦労しました。
同様に、駐車スペースからフリーフロアを造作したところへ
ミニキッチンを設置するためその排水をどうとるのかなどです。
電気配線も同様、
1階にミニキッチンを設置の際、天井高を限界までとっているため、
天井の懐が最小限になっており換気ダクトの逃げ道を
鉄梁を避けて設計しなければなりません。
↓のように鉄梁に這わせて逃がす設計としました。
構造の補修・補強が終わり、断熱材を入れる工程へ入っていきます。
ここからは内装工事になります。
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